月曜日、金融的封じ込めが機能しているように見えた。

日経平均は2.88%高の54,248円で引けた。ブレント原油は119ドルから80ドル台後半へ急落。トランプ大統領がCBSの電話取材で戦争は「ほぼ完了した」と語ったからだ。水曜にはIEAが史上最大の協調備蓄放出を発表した。32か国から4億バレル。米国はSPRから1億7,200万バレル。日本は8,000万バレルで、単独放出は1978年以来初となる。高市首相はNHKの放送で3月16日にも放出を開始すると表明。民間備蓄15日分に加え、国家備蓄30日分を合わせた規模だ。

ベッセント財務長官は洋上に滞留するロシア産原油の制裁を解除し、ペン一本で供給を創出した。G7エネルギー大臣はパリで協議を重ねた。海上保険の政府保証も表明された。財務省が持つ手段はすべて投入された。

金曜日、ブレントは再び100ドルを超えた。米10年債利回りは4.26%へ上昇し、約1か月ぶりの高水準に達した。日経平均は53,820円で週を終えた。月曜の水準を下回る。

何が起きたのか。機雷である。

火曜、CNNが報じた。イラン革命防衛隊がホルムズ海峡で機雷の敷設を開始した。敷設済みは数十発。だがイランは小型船舶と機雷敷設能力の80〜90%を温存しており、保有する機雷は推定2,000〜6,000発とされる。米中央軍は機雷敷設船16隻を撃沈したが、すでに海中にある機雷はそのまま残る。水曜、英国のヒーリー国防相はイランの機雷敷設を事実上確認した。

米海軍はペルシャ湾に配備していた専用掃海艇4隻を昨年9月に退役させた。代替は沿海域戦闘艦だ。米海軍分析センターの専門家は、タンカー1隻分の狭い航路を急いで開けるだけでも数日、商業運航者がリスクを受容できる安全水準に達するには数週間、完全な掃海にはそれ以上かかると指摘した。バルト海にはいまだに第二次世界大戦の機雷が残っている。

ここに今週の構造的な教訓がある。金融的手段は価格を制御できる。しかし物理的なアクセスは制御できない。

ホルムズ海峡は日量約2,000万バレル、世界供給の約2割を扱う。問題は原油の価格ではない。タンカーが物理的に通航できないことだ。開戦以来、海峡の通航は1日5隻以下に落ち込んでいる。平時は1日約138隻。IEAのビロル事務局長自身、4億バレルの放出を発表した同じ日に認めている。安定した供給の回復に最も重要なのはホルムズ海峡の通航再開だ、と。

4億バレルは巨大な数字に聞こえる。だが世界の生産量の約4日分にすぎない。米国の1億7,200万バレルは放出に120日かかるため、日量換算では約140万バレル。海峡が開いていれば日量2,000万バレルが通過する。物理的な封鎖が続く限り、算術は合わない。

機雷はイランの兵器庫で最も安価な武器だ。一発の製造コストは数千ドル。だが超大型タンカーへの一発の命中は壊滅的な結果をもたらす。船が沈むからではない。海峡が保険の引き受け不能になるからだ。主要な海上戦争保険の引受会社はペルシャ湾の補償を打ち切った。保険なしでは船は出航しない。船が動かなければ原油は動かない。原油が動かなければ、いかなる備蓄放出も物理的制約を変えられない。

日本にとっての含意は直截だ。原油輸入の約9割がホルムズ海峡経由だ。8,000万バレルの備蓄放出は国内需要の約3週間分にあたる。高市首相はガソリン小売価格を全国平均170円程度に抑えると表明したが、海峡閉鎖が長期化すれば備蓄は減り続け、補充のあてがない。

見落とされている重要な区別がある。機雷が敷設される前、海峡の再開は戦争の終結と連動していた。停戦すれば通航が再開する。機雷が敷設された後、この二つの時間軸は分離した。明日停戦しても海峡は開かない。掃海には好条件でも数週間を要し、掃海部隊自体がイランの沿岸ミサイルや無人機の脅威にさらされる状況ではさらに長引く。原油供給の途絶はもはや戦争の関数ではない。機雷の関数だ。

力の序列を整理する。物理的な軍事事実が最上位。金融的介入がその下。口頭での市場安定化がさらにその下。機雷はこの序列の頂点に位置する。無差別で、安価で、持続的で、心理的破壊力が大きい。いかなる備蓄の算術でも相殺できない不確実性を生み出す。財務長官は制裁を解除できる。しかし機雷原は解除できない。

備蓄で海峡は開かない。

— 玉露

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