水曜日、高市早苗首相はワシントンでトランプと向かい合う。公式議題は貿易と投資。実質的なテーマはホルムズ海峡だ。

トランプは日本を名指しで、中国、フランス、韓国、英国とともに海峡の安全確保に艦船を派遣するよう求めた。高市首相は国会で「護衛艦の派遣について何ら決定した事実はない」と答弁した。自民党の小林政調会長はハードルを「高い」と表現した。

どちらも公に語っていない事実がある。日本は連合軍が最も必要としている軍事的能力を保有しており、米海軍はもはやその能力を持っていない。

誰も語らない能力

ホルムズ海峡の問題は、もはやミサイルや無人機ではない。機雷だ。イランは海峡に機雷の敷設を開始し、米中央軍は1回の交戦で敷設船16隻を撃沈した。だが海中に投下された機雷はそのまま残る。無差別で、持続的で、安価だ。超大型タンカーへの命中が1発あれば、船が沈むからではなく、海峡が保険の引き受け不能になるから、商業船舶は通航を止める。保険なしで船は出ない。船が動かなければ、原油は動かない。

米海軍は2025年9月にペルシャ湾に配備していた専用掃海艇アヴェンジャー級4隻を退役させた。代替として導入された沿海域戦闘艦の掃海モジュールは期待どおりの成果を上げていない。直近の日米掃海訓練(MINEX 1JA、2026年2月)で米側が派遣したのは参謀要員と爆発物処理ダイバー。専用の掃海艦艇はゼロだ。

日本はフリゲート1隻、掃海艦3隻、掃海母艦1隻、沿岸掃海艇10隻、掃海ヘリコプター2機、複数のEOD部隊を投入した。

非対称性は一目瞭然だ。皮肉もまた。海上自衛隊は国際法上の軍隊として扱われながら、アメリカが起草した憲法の制約により、ホルムズに向けて出航できない。

「世界最高水準」という評価

海上自衛隊の掃海能力は単に優れているのではない。他の海軍には使われない表現で評価されてきた。

元米国防総省の日本担当専門家ジェームズ・アウアーは1991年、「世界で最も優秀で最も技量の高い掃海部隊は海上自衛隊に属する」と主張した。作戦実績と艦隊構成に基づく詳細な分析を行ったRandom Japan Academyは、「他の海軍がこれほど頻繁な実戦経験を共有していないことを考慮すれば、海自の掃海能力を世界最高水準と評価するのは妥当だ」と結論づけた。Naval Newsは掃海を「この国の専門分野」と記している。

偶然の産物ではない。海自の創設より前にまで遡る制度的な記憶に根ざしている。1945年の敗戦後、旧海軍の残存組織が最初に取り組んだのは、日本の水域に残された機雷の除去だった。米軍と日本軍双方が敷設した機雷を処理し、戦後復興の海上交通路を確保した。1950年に朝鮮戦争が勃発すると、海上保安庁の特別掃海隊が米軍の要請により朝鮮半島に派遣され30発の機雷を処理した。1名の殉職者を出した。海自が正式に発足する数年前の出来事だ。

冷戦期の日米間の役割分担がこの専門性を固定した。米海軍が攻撃的な火力を提供し、海自は特定任務に特化する補完戦力として、掃海、対潜水艦戦、攻撃型潜水艦作戦の技量を磨いた。冷戦後、多くの海軍が掃海能力を縮小する中、海自は投資を継続した。資源を輸入に頼る島国という地理的条件が、それを許さなかったからだ。

1991年の実績は決定的だった。湾岸戦争後、海自は掃海艦4隻、補給艦1隻、掃海母艦1隻をペルシャ湾に派遣した。「湾岸の夜明け作戦」と名づけられたこの任務で、34発の機雷を死傷者ゼロで除去した。米海軍の関係者は当時、日本の掃海部隊が掃海作業の最も困難な段階で「大きな貢献をする」と評価した。

現在の艦隊

海自は現在19隻の掃海艦艇を運用している。中核はあわじ型掃海艦だ。磁気特性を低減するFRP(繊維強化プラスチック)船体、LIDAR監視システム、日立製の可変深度ソナー、機雷処分用使い捨て機器、深海機雷探知用のRemus 600自律型水中無人機を装備する。4隻が就役済み。5番艦は2025年12月に進水した。計9隻が計画されている。

専用掃海艦に加え、新型のもがみ型護衛艦は水中無人機と軽量機雷敷設装備を用いた掃海能力を持つよう設計されている。後続艦も同様の能力を備える予定であり、掃海能力を持つ艦艇は将来的に46隻から50隻に達する可能性がある

湾岸における米海軍の現状と比較する。専用掃海艦ゼロ。連合軍に組み込まれた参謀要員とEODダイバーに依存。

法的枠組みはすでに存在する

憲法9条が海自のホルムズ派遣を禁じている、というのは単純化しすぎた理解だ。

2015年の安全保障関連法は、激しい反対を押し切って安倍晋三が成立させた。海外派遣を認め得る三つの類型が設けられた。2015年の国会論戦で安倍はホルムズ海峡の封鎖シナリオを法案の正当化根拠として繰り返し引用した。封鎖下での掃海は「存立危機事態」における集団的自衛権の行使に該当し得ると主張した。

ジャパンタイムズの報道によれば、高市首相の立場は精緻だ。戦争終結後の掃海は憲法上妨げられない。障壁は法的不可能性ではなく、紛争が継続中かどうかという政治的判断だ。

ここで別の解釈が重要になる。国際航路における掃海は、対イラン軍事行動ではなく、国際水域における民間船舶の保護として位置づけることができる。機雷はハーグ条約上、無差別兵器だ。世界の石油供給の20%が通過する水路から機雷を除去することは、軍事交戦ではなく、人道的かつ航行安全上の任務と解釈し得る。2015年法の「重要影響事態」の枠組みがこの解釈を収容できる余地がある。交戦地域に隣接しつつもその外側にある水域での、武力行使に至らない後方支援だ。

憲法改正と防衛強化を政治信条とする高市首相は、こうした区別を誰よりも理解している。公の場での否定は、言葉を慎重に選んでいる。「できない」ではなく、「何ら決定した事実はない」

高市首相が言えないこと

3月19日の高市首相の立場はこうだ。

少数与党の政権を率いている。日本の有権者はイラン戦争への関与に圧倒的に反対している。予算案は衆議院を野党の賛成票ゼロで通過したばかりで、敵対的な参議院が待ち構えている。政治資本は有限だ。

向かい側に座るのは、日本の石油輸入の70-90%が通過する海峡を閉鎖する戦争を始め、日本を名指しで艦船派遣を求め、日米の経済関係を左右する貿易・関税という切り札を握っている大統領だ。

承諾はできない。国内の政治的コストが大きすぎる。拒否もできない。ワシントンとの外交的コストが深刻で、通商で大統領の協力が必要だ。

できるのは、これまでやってきたことの延長だ。扉を開けたままにする。「何も決まっていない。」「法的枠組みの中で何ができるか検討している。」優柔不断ではない。戦後を見据えた布石だ。銃声が止まっても機雷が残る局面に備えている。

1991年が雛形だ。日本は湾岸戦争に参加しなかった。だが戦後に掃海艦を派遣し、その任務が海自の海外活動を定義づける作戦になった。一発も撃たずに国際安全保障への貢献を実証した。

イラン戦争が4月か5月に終結し、海峡に機雷が残っていれば、政治的計算は一夜にして変わる。戦後の掃海は復興支援であり、戦闘ではない。憲法の枠組みに正確に収まる。日米同盟における日本の価値を9条の線を越えずに示す。そして日本自身の存立にかかわる問題を解決する。原油の再流通だ。

水曜日、何を見るべきか

首脳会談の声明に「掃海」の文字は載らない。声明の行間を読む必要がある。

「地域安全保障への日本の独自の貢献」に関する文言。防衛費の拡大、海上安全保障協力、「エネルギー安全保障のために必要なあらゆる措置」への言及があれば、高市首相は将来の派遣に向けた政治的地盤を、時期を約束せずに固めていることになる。

トランプ側の通商・関税上の譲歩。日本が有利な条件を引き出せば、安全保障面での貢献への暗黙の期待は後から一層かわしにくくなる。

2015年安保法制や「重要影響事態」への言及。いずれかの側がこの枠組みに触れれば、掃海の問いは仮定の話から実務的検討の段階に移ったことを意味する。

そして同じ日の日銀決定に注目する。金利据え置きで原油急騰を制約要因として認めれば、ホルムズ閉鎖が日本にとっての存立的な脅威であることが補強される。それは将来の派遣に向けた法的・政治的な論拠を強める。

機雷の脅威に最も脆弱な国が、それを解決する能力を最も備えている。この皮肉が、水曜日に高市首相が言えないことのすべての底流にある。問いは日本が掃海艦を送るかどうかではない。いつ送るかだ。

– 玉露

本記事は投資助言ではない。データは特段の記載がない限り2026年3月16日時点。